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    山崎 新

    〒1800003 東京都 武蔵野市吉祥寺南町 3-1-1 Kビル201

専門家による自己紹介


アイリス法律事務所弁護士の山崎と申します。


■遺産分割、相続放棄

 人が亡くなると相続が発生しますが、遺産分割のためには、

 相続人の確定から始まり、遺産の範囲の確定、

 遺産の評価、相続分(法定相続分/具体的相続分)の算定、

 遺産分割協議書の作成といった作業を進めていく必要があります。


 話合いで解決しない場合には、家庭裁判所に、

 遺産分割調停の申し立てをします。
 遺留分が侵害されている場合には、

 遺留分減殺請求をしなければならないこともあります。


 また、相続を望まない場合には、

 相続放棄や限定承認の申立てを家庭裁判所に行います。


■遺言

 相続人間の紛争を防ぐためには、

 生前に遺言書を作成しておくことが大切です。


 遺言書の形式は法律で決まっていますので、

 作成を希望される場合は、弁護士やお近くの公証役場等にご相談ください。


【ケース1 遺産分割】

母の他界後、父と一人娘の私とで暮らしてきましたが、先日、父が亡くなりました。

遺産相続の手続のため父の戸籍謄本を取得したところ、

私が知らない前妻との間の子ども達がいることが分かりました。

全て私が相続できると思っていましたので、今後の生活が不安です。


遺産分割協議

身内が亡くなったというだけでも大変ななか、

面識もない方を相手に遺産分割協議をしなければならないのは、

心理的な負担が大きいと思います。


本件では前妻の子らも相続人となりますが、

相続人と亡くなられた方(被相続人といいます)との間に

長期間交流がなかったようなケースでは、

その相続人が遺産分割協議に消極的なこともしばしばあります。


このような場合には、

弁護士から相続人にお手紙を送って相続放棄をお願いしたり、

一定の金銭の支払いのみで合意していただけるよう交渉することもあります。


特別受益・寄与分

遺産分割の方法は、

法定相続分に従って分割することが原則となりますが、

特別受益

(相続人の一部に被相続人から生前贈与や遺贈を受けている方がいるケース)や

寄与分(相続人の一部に被相続人の財産の維持または増加について特別の寄与があるケース)が

あった場合には、そのことへの配慮も必要となります。


家庭裁判所での調停

話合いでの解決が難しい場合は、家庭裁判所に遺産分割調停を申し立てます。
調停は月1回のペースで進んでいきますが、

遺産の範囲の確定、遺産の評価、相続分の算定などについて、

法的な主張をすることや、適切な資料の提出が求められますので、

弁護士のサポートがあれば、スムーズに手続を進められると思います。



【ケース2 遺言】

夫は5年前に他界しており、私が死んだ場合には、

長男と長女が相続人となります。資産家というわけではありませんが、

自宅と、貴金属がいくつか、あとは預貯金や株式などがあります。

遺言書を作成する必要はありますか?


遺言書を作成する意味

遺産の中に、相続させたい相手が決まっている不動産や、

財産的価値のある貴金属、株式などがあるのでしたら、

遺言によって、誰に何を相続させるかを決めておくことが、

お子さんたちを争いから守ることになります。


遺言書の作成方法

遺言書の作成方法のうち、よく使われるものは、

自分で作成する自筆証書遺言と、公証役場で作成する公正証書遺言です。


自筆証書遺言については、

これまでは本人が全て手書きをしなければならないなどの厳しい要件が

ありましたが、平成30年の民法改正により、

財産目録についてはパソコンでの作成や、

通帳のコピーの添付が認められるなど、一部緩和されました。

また、自筆証書遺言を法務局で保管する制度も設けられました。

 公正証書遺言は、手数料は多少かかりますが、

公証人が本人の遺言能力や内容をチェックした上で文面を作成しますので、

遺産が多い場合や、内容が複雑な場合、

相続人間の紛争が予想される場合にはおススメです。


遺留分に注意

遺言書を作成する際には、ご本人の意向に沿うことが何より大切ですが、

各相続人の最低の取り分である遺留分に配慮する必要もありますので、

弁護士のサポートを受けられると安心です。


なお、終活の一貫としてエンディングノートを作成されている方も

多くいらっしゃるかとは思いますが、

ご自身の気持ちを遺すエンディングノートと、

法的効力を持つ遺言書は別ですので、ご注意ください。